新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
『金子さんと大家さんが責任を感じることなんてありません』

『涼の言う通りだ。それに俺は、一度だってお前らに迷惑をかけられていると思ったことはないからな』

 どうやら会社中に噂が広まったことをきっかけに、金子さんの同期が心配して知らせてしまったようだ。

『涼ちゃん……ジョージ……』

 今にも泣きそうな金子さんに、ジョージさんは明るく言う。

「それに涼とふたりで、何度でも父さんに認めてもらえるよう、頑張ろうと決めたんだ。……フフッ。父さんを引き留めたときの涼の姿を、お前らにも見せたかったよ」

『それは私も見たかったなー。あの社長に向かって啖呵を切ったんでしょ?』

『それにジョージの親父さんを、怒鳴りつけたんだって?』

 えっと、なにやら話が飛躍しておりませんか?

 交互にジョージさんとふたりを見ると、どうやらからかわれていたようで、三人は声を上げて笑い出した。

「もう、大家さんと金子さんまで……!」

 ジョージさんと一緒になってからかうなんて、あんまりだ。
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