新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 ジロリと睨みを利かせていると、三人はわざとらしく咳払いをした。

『まぁ、あれだ。……ジョージ、涼ちゃん。離れていたって俺たちは味方だから』

『力になれることがあったら、遠慮なく頼ってね。大丈夫、おじさんも涼ちゃんのことを知ったら、ジョージ同様、メロメロになっちゃうって』

 それはあり得ないと思うけれど、でもふたりの気持ちがすごく嬉しい。

「ありがとうございます」

「サンキュな。陸も仕事頑張れよ」

 その後は他愛ない話をして、通話を切った。

「あいつらは相変わらずだったな」

「そうですね」

 パソコンを閉じると、どちらからともなく寄り添う。

「でも元気はもらえたな。……今週末、実家へ行こう」

「……はい!」

「母さんも涼に会いたがっているから、喜ぶと思う」

「本当ですか? 私もお母さんに会いたいです」

 少しずつ、ゆっくりと距離を縮めていけばいいよね。

 この日の夜もジョージさんのぬくもりに包まれ、幸せな気持ちで眠りに就いた。




 次の日は出社後、事務作業を経てお昼前にSスーパーへ向かった。次のフェアについての打ち合わせだ。
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