新婚未満のかりそめ初夜～クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする～

「俺は努力や苦労は、必ず報われると信じている。……上司として川端がうちの会社で楽しく仕事をして、彩香をはじめ、営業部の者と良い関係を築いていけるよう、サポートさせてくれ。それが上司の仕事でもあるからな」

「ジョージさん……」

　あまりに嬉しい言葉に、ここが会社ということを忘れて名前で呼んでしまった。

「すみません、失礼しました」

　すぐさま謝ると、ジョージさんは人差し指を立てた。

「ここは会社だ。……だが、今は誰もいないからそう呼んでくれてかまわないよ」

　あどけない笑顔を向けられ、胸がギュッと締めつけられる。

　どうしよう、ドキドキが止まらない。

　どうしてジョージさんには、金子さんという素敵な婚約者がいるんだろう。
　好きになっても仕方がない人なのに、こうして会社でも家でも一緒に過ごす時間が増えていけば、気持ちが大きくなる気がしてならない。

　いいかな？　勝手に好きでいる分には。絶対に好きだと気づかれないようにするから。