新婚未満のかりそめ初夜～クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする～

「そんなっ……！　叶先生の作品は素晴らしいです!!　私、何度も先生の作品を読んで幸せな気持ちになれましたし、自分もいつかこんな恋愛をしたいと思いました！」

「えっ？」

　あの大好きな叶未来先生が今、目の前にいる。そう思うと興奮を抑えることができず、どれだけ大好きか、熱い思いをぶつけた。

「デビュー作からの大ファンです！　新刊が出るたびに発売日に本屋に駆け込んでいました。今回の新作も昨夜読み返していたところで……。本当に大好きです!!」

　勝手に叶先生は女性だとばかり思っていた。それというのも、どの作品も女性目線で物語が進んでいくから。

　リアルな心情に時にはドキドキさせられ、切なくなり。まるで物語の主人公になった気分で読んでいる。

「私の中で叶先生の作品はどれも大ヒットしています!!　だから今後も頑張ってください！　あ、もしかしてもう新作の執筆をされているんですか!?　だったらすごく嬉しいです！」

　興奮しすぎて早口になる。すると大家さんの目が次第に赤く染まっていった。