新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「それでね、どうせなら女の子にしようって陸と決めていたの。それもジョージが気に入るような子にしようって」

「そうそう。俺たちだけが幸せになっちゃって申し訳ないからさ。募集をかけたところ、ジョージが好きそうな感じの子がきたわけだ」

 大家さんもまたニヤニヤしながら私を見る。

 えっと……ちょっと待って。ジョージさんの好きそうな感じの子って、もしかしてもしかしなくても私のこと!?

 信じられなくて「私ですか!?」と自分自身を指差せば、ふたりは大きく頷いた。

「しかもジョージにひと目惚れしたっていうじゃないか。これはもう俺が運命を感じちゃってさ」

「私も陸から話を聞いたときは、運命を感じちゃったよ。ジョージって涼ちゃんのような可愛らしくて、一生懸命な子が好きそうだものね」

「あぁ、おまけに同じ営業部に配属されて、彩香も涼ちゃんの教育係になったっていうじゃないか。すごすぎないか?」

 盛り上がっているところ申し訳ないが、ちょっと待って!

「お、大家さん! あの話はご内密にしてほしいとお願いしたではありませんか!」

 たしかに私は昨夜、大家さんに言った。それなのにさっそく言っちゃうなんて……!

 責め立てると、大家さんは可愛くおどけた。
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