新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「えっと、いただきます」

「どうぞ」

 手を合わせてまずはパスタからいただくと、ソースの味は絶妙で、明太子のプチプチ感がアクセントになっており、お世辞抜きにおいしい。

 それは顔に出ていたようで、ジョージさんは「お口に合ったようでよかった」と言いながらクスリと笑った。

「はい、とってもおいしくてびっくりです。……ジョージさん、すごいですね。料理もできるなんて」

 スープを飲む彼に言うと、小さく首を振った。

「最初からできたわけではないんだ。ひとり暮らしを始めるまで、料理などしたことがなかったし、包丁さえ持つのが怖かった。だが、人間やればなんでもできるものだな。仕事と一緒でやればやるだけ楽しくなってくる」

 なんかジョージさんらしい考え方だな。

「それにこうしてうまそうに食べてもらえると、作り甲斐があるよ」

「だって本当においしいですから」

 すぐに言えば、ジョージさんは少し照れくさそうに笑う。

 この瞬間が夢のようだ。それほど幸せな時間。

 パクパクと食べ進めていると、感じる視線。チラッと目の前に座る彼を見れば、甘い瞳で私を見つめていて喉に詰まりそうになる。
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