新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「決して深い意味はなく、ジョージさんの言う展開がくるのを待っているわけでもありません!」

 わかってほしくて否定の言葉を並べていると、いつの間にかジョージさんは下を向いていた。そして身体は小刻みに震えている。

「ジョ、ジョージさん……?」

 まさか私、からかわれた?

 そう思った瞬間、彼は「すまん」と言うように手を掲げ、笑い出した。

「アハハハッ……! そんなに必死になって否定することないだろ?」

「なっ……!? だってジョージさん、すごく怒っていたじゃないですか!」

「冗談だって気づけよ」

「気づけません!!」

 やり取りしている間も、ジョージさんはずっと笑いっぱなし。

 これもまた初めて知った。彼は意外とイジワルだ。そして笑い上戸。なにもここまで笑うことじゃないと思うんだけど。
 なんか悔しくて無意識のうちに頬を膨らませ、腰を下ろした。

「そんなに笑うことないじゃないですか」

「いや、笑うだろ。だけど心配にもなるな。川端、お前気をつけろよ? 変な嘘にもコロッと騙されそうだ」

「そこまでバカではありません」

 顔を背け、パクパクとサラダを口に運んでいく。するとジョージさんは「ごめんごめん」と言う。
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