新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「おかえり、涼ちゃん」

 そう言って出迎えてくれたのは、金子さんだ。

「……ただいまです」

 笑顔の金子さんの目は少し赤く腫れていて戸惑う。

「涼ちゃん、ちょっといいかな?」

「あ、はい」

 金子さんとともにリビングに入ると、大家さんとジョージさんもいて、神妙な面持ちでソファに座っていた。
 なんとも言えぬ重い空気に緊張がはしる。

 やっぱり噂は本当だったの?

 金子さんは大家さんの隣に座り、私はジョージさんの隣に腰を下ろした。するとさっそく金子さんが切り出す。

「涼ちゃん、今日会社どうだった? ……私とジョージの話が出ていたりした?」

 金子さんが不安げな顔で聞いてきたのは、あの話だよね?

 戸惑いながらも「はい」と返事をすれば、金子さんは「そっか」と呟いて力なくソファに体重を預けた。

「やっぱりすぐ広まっちゃうよね。……明日から会社に行きづらいね、ジョージ」

 苦笑いする金子さんに、大家さんもジョージさんも硬い表情のまま口を開かない。

 事の真相が気になって、恐る恐る三人に尋ねた。
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