新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
 その間にジョージさんもふたりに向かって訴えた。

「ふたりには幸せになってもらいたい。その思いで彩香の婚約者として振る舞ってきたが、それがそもそもの間違いだった」

 そう前置きすると、ジョージさんは少し厳しい口調で大家さんに言った。

「陸、川端の言う通りお前はもう彩香の両親に認めてもらえるよ。大事なのは富や名声じゃない、人柄だと思う。これ以上彩香を待たせるな。男ならしっかりケジメをつけろ」

「ジョージ……」

 厳しい口調で言ったかと思えば、今度は優しく語りかけた。

「お前は俺の自慢の親友だ。……大丈夫、自信を持て。俺も協力するから」

 ジョージさんの言葉を聞き、大家さんと金子さんは泣き出した。

 そしてふたりとも震える声で「ありがとう」と言う姿を見て、私までもらい泣きしてしまう。

 よかった、ふたりが前に進む決心をしてくれて。大丈夫、大家さんと金子さんなら絶対に幸せになれる。

 ふたりの姿を見たら、ご両親も納得してくれるよ。
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