新婚未満のかりそめ初夜~クールな御曹司は淫らな独占欲を露わにする~
「俺も彩香も、結婚は会社のために仕方がないと思っていたよ。だけど本来結婚とは、愛し合っている者同士がするものだろ? それに俺たちの人生は俺たちのものであって、父さんのものではない」
「……正気か? 丈二」
「あぁ、もちろん」
すぐさま答えれば、父さんは顔を歪ませた。
「婚約自体が間違いだったんだ。俺と彩香が結婚などしなくても、仕事は回るだろ? 俺たちは父さんの道具じゃない」
「丈二、お前っ……!!」
よりいっそう大きな声で言うと、父さんも立ち上がった。
「なんと言おうと、婚約破棄は認めん! それがお前のためでもあるんだ! 立場を考えろ!」
いつもそう、二言目には『お前のため』。うんざりだ。
だけどここで感情に任せては、父さんになにも伝わらない。いつものように感情を押し込んで、言わずに逃げてもだ。
落ち着かせるように深呼吸をして、父さんと対峙した。
「考えているよ、自分の立場をしっかりと。そして、父さんの立場も。……彩香と結婚しなくたって、父さんの後をしっかりと継いでみせる。だから彩香を自由にしてやってくれ。……お願いします」
深々と頭を下げるが、父さんから言葉が返ってこない。しかし少しして「絶対に許さん」と言い、足早に部屋から出て行った。
乱暴に戸を閉め、足音が遠退いていくと力なくその場に座り込んだ。
「……正気か? 丈二」
「あぁ、もちろん」
すぐさま答えれば、父さんは顔を歪ませた。
「婚約自体が間違いだったんだ。俺と彩香が結婚などしなくても、仕事は回るだろ? 俺たちは父さんの道具じゃない」
「丈二、お前っ……!!」
よりいっそう大きな声で言うと、父さんも立ち上がった。
「なんと言おうと、婚約破棄は認めん! それがお前のためでもあるんだ! 立場を考えろ!」
いつもそう、二言目には『お前のため』。うんざりだ。
だけどここで感情に任せては、父さんになにも伝わらない。いつものように感情を押し込んで、言わずに逃げてもだ。
落ち着かせるように深呼吸をして、父さんと対峙した。
「考えているよ、自分の立場をしっかりと。そして、父さんの立場も。……彩香と結婚しなくたって、父さんの後をしっかりと継いでみせる。だから彩香を自由にしてやってくれ。……お願いします」
深々と頭を下げるが、父さんから言葉が返ってこない。しかし少しして「絶対に許さん」と言い、足早に部屋から出て行った。
乱暴に戸を閉め、足音が遠退いていくと力なくその場に座り込んだ。