クールな王子は強引に溺愛する
「もったいないお言葉。身に余る光栄にございます」
「そう固くならずともよい。結婚を勧めても全く興味を示さなかったリアムを射止めたのだ。礼を申したいくらいだ」
結婚をしたいと、思っていらっしゃらなかったの? お相手の方が想いの届かない方だから?
驚きつつも、自分と似た考えをしていたのだと、リアムに対し勝手に親近感を抱く。そしてそうであったのに、自分を救うために結婚に踏み切ったリアムに、改めて感謝の念を抱く。
「父上。言葉が過ぎます」
どこか居心地の悪そうな顔をさせるリアムを、新鮮な気持ちで見つめる。
「良いではないか。めでたい話だ。バージルも積極的になってくれればいいものを。縁談の話はいくらでもあるのだがな」
「こちらに火の粉を振り撒かないでいただきたい」
バージルが苦々しい顔をさせる。