クールな王子は強引に溺愛する
続きの間では、食事を部屋で取る手筈が整えられている最中だった。病気ではない。ただ月のものが来る直前で、いつも通りとはいかなかっただけだった。
寝所の隣にわざわざ設置されている別の部屋は月のものが来たときにこそ使用するのだと、改めて気付く。
ノックがされ、モリーかしら、と思いながら「はい」と返事をすると、入ってきた人を見て目を丸くする。
「リアム、様」
「エミリーの侍女から話は聞いた。体を起こすな。無理しなくていい。俺も今日はこちらで食事を取ろう」
「えっ。でも」
ベッドに歩み寄ってくるリアムにますます目を丸くする。そのリアムの後ろでどこか申し訳なさそうなモリーを視界に映す。
「たまにはふたりの食事もいいだろう。話もある」