クールな王子は強引に溺愛する
晩餐会も終盤に差し掛かると、「疲れただろう? 少し外の風でも当たろう」とリアムに庭へと促される。
テラスへと続く掃き出し窓は開けられており、爽やかな風に庭の葉がそよいでいる。
「リアム様、騎士団の人選でお話があると仰る方が」
リアムはエミリーと顔を見合わせ「あとに出来ぬのか」と渋る。
「お話を聞いてらしてください。わたくしはお待ちしておりますわ」
「そうか。では、待っていてくれ。すぐに終わらせる」
頬に唇を寄せ、リアムは呼びに来た者と広間の奥へと戻っていく。いつになく甘いリアムに、胸は高鳴って仕方がない。
高揚する頬を押さえ、テラスへ出て行く。人の熱気が充満する広間から出ると、心地よい風が体を撫でる。
「気持ちいい」