クールな王子は強引に溺愛する
しかしその心配も、すぐに杞憂だと知る。
リアムは口元に手を当てたまま、視線を外しながら言う。
「いや、新妻を存分に、抱き尽くす時間が必要だ」
顔がカァーッと熱くなり、シーツを持ち上げ赤くなる頬をどうにか隠す。
「そんな」
「初恋が実ったのだ。周りも大目に見てくれる」
初恋だなんて、くすぐったい。けれどそのくすぐったさの中に引っかかる部分があり、復唱する。
「周り、も……?」
「ああ。エミリーの父上も知っているぞ」
「まあっ!」