クールな王子は強引に溺愛する
慈しみ愛し合う
次に目覚めたときにも、すぐさま視界にはリアムが映る。ゆっくりと体を起こし、エミリーの眠る傍らにもたれかかるリアムを見つめる。
安らかな寝顔の側には、寝てもなお離さない手が、エミリーを捕まえている。
思いが通じ合った実感は、ふわふわしていて掴みどころがない。
頬に手を伸ばそうとし、躊躇して宙を握る。
「なんだ。触らないのか」
低い声を聞き、胸が飛び跳ねる。目を開けたリアムが意地悪くこちらを見上げた。
「起きて、いらしたのですか?」
「いや、ほんのついさっき。あれほど熱い視線を送られて、起きなければ男ではない」
のっそりと体を起こすリアムは、顔を近づけ頬に口付ける。
「おはよう。エミリー。愛している」
目を丸くして、控えめに回される腕の中に顔を埋める。
「私も、愛しております」
告げる度、聞く度に胸がギュッと掴まれる。
「ああ、夢ではなかったな」
「はい。私もそれを思っていました」