クールな王子は強引に溺愛する

「まだ、食べているところでしたのに」

 抗議の言葉も愛らしく、もう一度唇を軽く重ねてから離される。

「たくさん食べてもらわねばな。エミリーの柔らかな肌を早く堪能したい」

 腰に回されていた手は夜着の隙間から滑らされ、体の線に沿って撫でていく。堪らずリアムに寄りかかると、より大胆に熱い手のひらがエミリーの体に触れる。

「ダメです、わ。リアム様」

 拒む言葉も吐息混じりで、熱を帯びて甘くなる。

「食事に集中して。俺はエミリーをつまんでおく」

 夜着をたくし上げ侵入された手は焦らすように進み、次第に上へと登っていく。無意識に腰が浮き、リアムにしなだれかかる。

 柔らかな膨らみに手が触れたところで、部屋にノックの音が響く。

「はい」

「リアム様。お時間です」

 グレイソンの声が聞こえ、霞んでしまいそうな意識を手繰り寄せる。

 リアムはその声に冷静に対処している。

「わかった。すぐに行く」
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