クールな王子は強引に溺愛する
エミリーは腹を据え、モリーを呼んで夜着に着替えた。薄手のシュミーズは体の線が露わになりそうで恥ずかしい。しかしモリーに夫婦の閨での作法だと言われてしまうと反論ができなかった。
モリーが仕事を済ませ部屋を出て行っても、エミリーはなかなかリアムのいるところに顔を出せずにいた。
部屋は少し動いた衣擦れの音がわかるほどに静かだ。
もしかしたら、リアム様もお疲れでお休みになられたのかもしれないわ。
一縷の望みをかけ、隣の部屋に歩んで行くとベッドの端に腰掛けていたリアムが振り返った。