クールな王子は強引に溺愛する
「騎士団の生活が長いせいか、周りはむさ苦しい男ばかりだ」
『むさ苦しい男ばかり』という言葉はあまりピンと来ない。そう口にするリアム自身が見目麗しいからだろうか。
今も軍服を脱ごうとする姿は色気を醸し出していて、頬が上気するのがわかる。目を奪われていた事実に気づき、慌てて顔を背ける。
「ああ、悪い。向こうで着替えてこよう」
リアムが部屋の奥に消え、ホッと息をつく。
それから食事を部屋に持ってくるように頼んだリアムとしばらく話をした。
「それではリアム様も狩猟をおやりに?」
「ああ、兄と数を競ったりしたな」
家族の話から弟の乗馬が上達しないという話になり、リアムは兄と狩猟がしたくて乗馬が上手くなったと教えてくれた。
「まあ。でしたら是非今度、父ともご一緒してくださいませ」
「父上も狩猟が趣味か。これは数を競わなければ」
「リアム様と数を競われたら、森の動物が全て居なくなってしまいそうですわ」