クールな王子は強引に溺愛する
優しいリアム様は、未だキッシンジャー卿からの魔の手から自分を守ろうとしているのだ。愛し続けるとは、文字通りの愛の言葉ではなく、夫婦の営みを仰って……。
リアムの言葉の真意を知り、胸には虚しさが広がっていくのに、体はリアムに与えられる刺激に従順に反応を示す。
「あっ、リアム様っ!」
心とは裏腹に、体はリアムの与える刺激に溺れていく。
「エミリーはどこもかしこも甘い」
囁かれる蜜語も、心はこもっていないのだとわかり悲しいのに、リアムを好きな気持ちと、教え込まれた快楽に溺れ、嬌声を漏らす。
「ああっ。リアム様っ」
リアムは何度もエミリーの中に押し入り、切なげな顔をさせ精を放つ。こんな表情を知っているのは自分だけだと思いたいのに、それが事実だとしても、どうしてか心は晴れなかった。
宣言通り一日中ベッドで過ごし、肌を重ねた。眠っては触れ、触れては眠る。今が朝なのか昼なのか分からぬまま、リアムとの情事に溺れ堕ちていった。