赤い宝石の約束
親友のリナだった。
『そこのお店のハンバーガーね、ほんっと美味しかったの!真央も絶対好きだよ!ちょっと遠いんだけど、たまにはいーよね!』
リナが車を運転しながら興奮気味で話す。
『こないだ司とたまたま入ったお店なんだけど、おっきな口開けて食べれなくてさ、残しちゃって…でも、今日は遠慮なく食べられる〜♪』
『1年も付き合ってるのに!?恥ずかしいって…リナにしては珍しいね。』
『今回は本気だからかな?ふふふ。あっ、近くに海あるから、食べた後散歩でもしよっか!』
リナは赤ちゃんからの友達で。
姉妹のように育った中。
明るくて、可愛いからすぐに彼氏ができるんだけど、
自由大好き、束縛大嫌い、奔放なリナについていける人はなかなかいなく、
28歳まで結婚できずにいるわけで…
でも、今回は大丈夫かな?
『お母さんがさ、後継だけは残してくれってうるさいんだよ…』
リナの家は家業をしていて、代々婿養子をもらっている。
『そんな都合のいい人そうそういないっつうの。』
『司さんは?知ってるの?』
『言ってない…司ね、今の仕事すごく好きでさ、会社辞めてうちの婿養子に…なんて話できないよ…』
『そっか…ひとりっ子って大変よね…』
『お互いね。本当、男の兄弟ほしかった〜』
『うちはそういうのないからなぁ〜もう何も言わなくなったよ。諦めたのかも(笑)』
『えっ?そんな事ないよ!こないだ真央ママ来た時、孫の顔が早く見たいって言ってたよ!』
『孫の顔って…私だってさ、相手がいれば、したいよ結婚。もうすぐ29だし…年取るのはやいなー』
『そっか!もうすぐ誕生日だね。29か〜真央はさ、何人と付き合ったっけ?みんな長く続かなかったよね〜(笑)』
『いや、リナに言われたくないけど…私の何がいけないんだろーか。』
『てか、そもそもさ、好きな人と付き合ってなかったじゃん!』
『そんなこと…なくはないか…いやほら、付き合ったら好きになるかなーって思うじゃん。』
『でもならなかったよね…夢見る少女さん。』
『夢見る少女…』
『あっ、少女じゃないわ!夢見るアラサー?あはははは』
『あはははは』
『で、最近は見ないの?夢。』
『夢ねぇ…』
今日見た夢を思い出す。
ーやっと会えた。ずっと探してたんだー
『あっ!真央!もうすぐ海に出るよ!』
トンネルを抜けた。
真っ青な海と、真っ青な空が、
私たちを迎えてくれた。