赤い宝石の約束


それから少し走ってお店に着いたけど、


駐車場はいっぱいで。


少し離れた駐車場に止めた。


歩いてお店へ向かう。


でもなんかこの風景、どこかで見た様な…


『ほら、あそこだよ!』


『あれ…ここ…』


『ん?もしかして知ってた?』


『いや、知らない…けど、来たことあるような…』


『ほら、入ろ入ろ!』


『うん…』


中に入ると…


そうだ!!


ここ!!


夢の中にでてきたお店だ!


部下と、ランチしたお店だ!


うそでしょ!?


お店の人が来た。


『すいません…今混み合ってて…カウンターの席なら空いてますが。』


『カウンターでも全然大丈夫です!いいよね!真央!』


『うん。』


『こちらへどうぞ。』


席に着く。


店内を改めて見回す。


やっぱり、夢の中に出てきたお店だ…


確か、窓側のあの席に座ったんだっけ…


『なに見てるの?』


『あっ!うん…おしゃれなお店だなーって。』


目の前に大きな絵が飾ってあった。


砂浜の流木の上に、ポンと置かれた瓶。


その瓶の中には赤青緑のシーグラスが入っている。


『リナ見て。この絵キレイじゃない?中に入ってるのシーグラスだよね?昔海で拾ったな〜』


『シーグラスって何?』


『瓶の破片だよ。何十年も海を彷徨って、角が削られて丸くなったガラス。大きいのはすっごく綺麗で。確か赤いシーグラスはレアで、なかなか見つからないんだよ。』


『へぇ〜海に落ちてるんだ…私が行く海には落ちてないけどな〜』


んん??


そういえば私、どこで拾ったんだっけ…


『お待たせしましたー!』


おっきなハンバーガーがやってきた。


『うわーなにこれー!すごいおいしそう!』


『でしょー!!!』


写真を撮りまくる。


『ではでは早速、いただきまーす!』


ハンバーグも大きくて、


トマトにチーズにアボガドに、


オニオン、レタス…


ソースも抜群!


ギュッとつぶすと、肉汁ジュワー!


『サイコー!!!!』


『おいしー!!!!』


2人で、ペロッと完食!


さっ、食べた後は運動しますか!


お会計をしていると、キッチンの方から視線を感じた。


年配の、たぶん、ここのオーナーであろう人がこちらを見ていた。


目が合った時、何か言いたそうだったけど、


他のお客さんから呼ばれ、軽く会釈をして行ってしまった。


なんか用事でもあったかな…


『さっ、食べた分少し歩こうか!』


とリナ。


『そだね!』


歩いて5分もしないところに海岸があり、


砂浜を歩いた。


暑くもなく、寒くもなく、ちょうどいい!


5月ってほんと好き!


私の生まれた月、最高!


リナが、


『ほら見てあそこ。こんな日は、最高だろうね!』


ベランダにイーゼルが置いてあって、


その横に男の人の姿。


絵を描いてるようには見えず、


ただイスに座ってずっと海を眺めていた。


『さっ、そろそろ帰りますか!』


とリナ。


車に乗って自宅へ。


そしてその夜。


また不思議な夢を見た。

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