赤い宝石の約束


そして誕生日前日。


リナから電話。


『明日空いてる?誕生日のお祝いに、またハンバーガーでもどう?』


『うん!行く行くー!』


またまた店内は混んでおり、


こないだと同じ、カウンターの席へ。


目の前のシーグラスの絵を見つめた。


『どうしたの?怖い顔して。』


『あのさ、私って、なんで夢見る少女なんだっけ?』


『どしたの?急に!?』


『いや、ちょっと気になって…』


『小さい頃から夢の話ばっかりしてたからね。みんな心配してたんだよ!』


『心配?なんで?』


『変な夢ばっかで。雲に乗った孫悟空に雷おとされたーとか、ドーナツの王国に行って姫になったーとか。』


『なにそれ…こわ…』


『まだまだいっぱいあったよ!王子様と空飛んでたら、かもめに王子が食べられたとか。海でかもめ見てすごい大泣きして、真央ママ大変だったって。』


『よく覚えてるね!?』


『あっ、あとね、2人の男の子を好きになって、どっちも大好きだからどうしようって…ってあれ?この話は現実だったかな…』


『2人の男の子!?』


『うん。覚えてないの?絶対その男の子と結婚するっていったよ!あれが真央の初恋だね。』


『初恋…あのさあのさ、ちなみにさ、その男の子の名前とか覚えてる?』


私が真剣に聞いたもので、


『覚えてるわけないじゃん!真央!大丈夫??』


リナは呆れたように笑っていた。


『もしかして、2人のこと忘れられない!探す!とかないよね?もう29ですよ。現実をみなさい。』


『はい…すんません…』


『とりあえず、ハンバーガーでも食べて、30までに、彼氏…じゃなくて、結婚相手みつけよー!』


『オー!!』


初恋であろう2人男の子。


結婚したいぐらい好きだった。


なんとなく覚えているけど…


5月26日。


29になった今、


過去の恋を思い出したとこでどうなる?


目の前の絵…


不思議な絵…


この絵を見ると、胸が締め付けられる。


蓮と涼…


今日の夜、夢の中で会いませんか?

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