ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
一章、人生十回目突入

大国、カークランド。華国とも呼ばれるほどに、温暖な気候のもと各地にさまざまな花が咲き乱れているとても美しい国。

花を育て売る花業はもちろんのこと、国の西部や南部は農業に林業、北部は海も面している漁業も盛んだ。

最も栄えているのは、東部に位置する王都マリノヴィエ。ブリッジス国王一家が住むバロウズ城を中心を国政を展開し、カークランドの心臓部とも呼べる町である。

堅牢な存在感を放つ古城を初め、マリノヴィエには名を知られているものが多い。美麗なステンドグラスのある教会、人々の目を楽しませる中央広場のからくり時計、そして、秀でた者のみが入学を許されるマリノヴィエアカデミー。

剣術、薬術に魔術など。各地に学校は存在し、基本的なことはそこでも十分学べるが、より高度に学べるのがこのアカデミーなのである。

三年制で、卒業生のみが王属の専門機関で働くことができる。それを希望して多くの者が門を叩くが入学試験は当然厳しく、さらに進級するのも難しいため、毎年脱落者が大勢出る。

そんなエリート学校である一方、時としてここはある役目を担うこともある。

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