ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
顔を向けると、一直線に駆け寄ってくるリオネルを見つける。
「久しぶりですね。しばらく顔を見なかったけれど、元気でしたか?」
「えぇ、おかげさまで。ゴルドンさんも講師で呼ばれていますし、私も早くリオネルと同じ授業を受けられるように頑張らないと」
「隣の席で学べるその日を楽しみにしているよ。それじゃあまた後で!」
リオネルはにこりと笑って、学生たちの集まっている方へと歩き出す。
軽く手を振りながら彼を見送っていたロザンナの隣にルイーズは並び立ち、こっそり問いかけてきた。
「今の方は、一般の学生ですよね。もしかしてロザンナさんは他にも授業を受けるつもりでいるの?」
「えぇそのつもりよ。将来はそちらの道に進めたらと思っているの」
「実は私も魔法薬に興味があって、仲間がいて嬉しいわ」
ロザンナの告白に、ルイーズが目を輝かせて握手を求めた。周りを気にしつつ、「それにしても」と小声で話を続ける。
「驚いたけど、納得もしてる。あなたはアルベルト様のお気に入りだっていう噂で持ちきりだったから、入学後も花嫁候補として真っ直ぐ進んでいくだろうと思っていたの。でも、街の活躍も聞いていたし、志を持っていたとしても何もおかしくないわね」