ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

共に空き時間だったルイーズから図書館に行かないかと誘われたのだが、ロザンナは断っている。

それはこの時間に図書館に向かうと、移動途中のアルベルトと出会う確率が高いからだ。

行かなくて良かったとほっとしているロザンナへと、ルイーズが一枚の紙を手渡してきた。


「それでね、早速アルベルト様に薬学を学びたい旨を申し出たの。そうしたら、追加で試験を受けられるように話をつけて下さって。試験を受けられるのは今月だけだと聞いたわ、ロザンナも本気ならアルベルト様にお願いした方が良いかも。話が早いから」


試験の日時や場所が明記されている紙を見つめながら、断らなければ良かったと後悔する。

花嫁候補が一般の授業を受けるには二つの壁がある。

もう既に一般の授業が始まっているため、ある程度進んでしまってからではついていけないだろうという理由で、入学すぐでないと追加で試験を受けさせてもらえないこと。

それから、あれこれ手を伸ばし肝心の妃教育が疎かになってはいけないと、申請時に学園側から渋られてしまうことがあるのだ。

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