ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています

なにより前期の成績が秀でていて、休暇中にアルベルトがアーヴィング邸だけを訪ねたことから、取り巻きたちは花嫁に選ばれるのはマリンだと考えている。

対立すると彼女たちから敵視されるのはいつものことだが、今回は特に当たりが強い。

優秀な成績を収められなかったロザンナが、パーティーでアルベルトと踊れたのは、宰相である父親の力を使ったからだというデマが流れてしまったからだ。

休暇明け早々マリンに睨みつけられて身の潔白を訴えたいと思ったが、アルベルトが自分を指名したと言い出せば新たな火種になりそうで、結局ロザンナは我慢するしかなかった。

空腹感を覚え始めた頃、やっと授業が終わり、ロザンナはルイーズと共に教室を出た。

これまではルイーズとふたりでのんびり歩いていた道だったが、今は取り巻きの令嬢たちがすぐ後ろにぴったりとついているため、心なしか足早になってしまう。

ロザンナにそんな気はなくても、ぞろぞろと引き連れて歩いているようなこの状態は、どうしても他の学生の視線を集めてしまい居心地が悪いのだ。

前方に同じような塊を見つけ、ロザンナはこのまま進むのを躊躇する。

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