ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています


「正直なところ、試験はどうだった?」


聖魔法の試験結果は今日出たばかりで、今回もロザンナは優秀な成績を治めることができた。それはもう伝えてあるため、彼女の言う試験は妃教育のことだろう。

ロザンナはフォークを持つ手を止めて、小さく頷く。


「手応えはあったわ」


出し惜しみでず、全力でぶつかった。点数に関して文句はないだろう。

けれど、総合評価となるため前期の成績が大きく足を引っ張っているのは間違いなく、不安しかない。

果たして未来は変えられただろうか。これまで見てきたアルベルトがマリンに求婚する光景を思い返し、ロザンナの胸がきゅっと苦しくなる。


「こうやって寮の部屋で食事を取るのもあとわずかかぁ」


しみじみと告げられた言葉に、ロザンナは「そうね」と相槌を打つ。

一般の学生も寮生活をしているが、花嫁候補者たちのそれとは違う。

ふたり部屋が主であり、食事は食堂で、身の回りの世話をする侍女をそばに置くことも許可されない。


「トゥーリに頼りっぱなしだったから不安はあるけれど、……食堂での食事には興味があったの。楽しみだわ」


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