ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています
ロザンナがこっそ打ち明けると、ルイーズも「私もよ」と笑みを浮かべる。
「ルイーズ、これからもよろしくね」
「えぇ、もちろん!」
固い友情を頼もしく感じながら食事を進めていると、部屋にアルベルトの使いが訪ねてきた。
「食事が終わったら、門まで来て欲しい」という伝言に「わかりました」と返事をし、ロザンナはルイーズと顔を見合わせる。
「デートのお誘いかしら」と茶化され、「これから?」とロザンナは苦笑いした。
試験後、確かに付き合うよう言われている。今日の午後、妃教育は休暇中のためロザンナに予定はないが、アルベルトは普通に授業が入っているはずだ。
不思議に思いながらも、食事を終えるとすぐに寮を出て門へ向かう。
門のそばには何度も目にしている馬車が止まっていて、ルイーズの予想通りかもしれないとロザンナは目を大きくさせる。
小走りで近づいていくと、辿り着くよりも先に馬車の扉が内側から開けられ、アルベルトが顔を出す。
差し出された手を取って馬車に乗り込みつつ、ロザンナは問いかける。
「これからどこかに行く予定ですか?」
「あぁこの前約束したあれだ」
「でも午後に授業は?」