ループ10回目の公爵令嬢は王太子に溺愛されています


「第二騎士団の方ですか?」

「はい! 詳しいですね」


今はアカデミーの学生であり、後に騎士団員になる兄が、剣の鞘に同じものをつけていたのでとは言えず、ロザンナは曖昧に笑って誤魔化した。


「アルベルト様はお元気ですか? ずーっと姿をお見かけしていないので」


ロザンナの何気ない質問に、騎士団の男性は気まずそうな顔をする。頭をポリポリとかきながら、歯切れ悪く答えた。


「アルベルト様は二週間ほど前から隣国に。ここ最近は、……色々とお忙しそうでしたよ」

「色々?」


再びの質問には完全に黙ってしまい、代わりにリオネルが喋り出す。


「アーヴィング伯爵の娘さんと一緒に街を歩く姿をよく目撃されてたみたいだね。少し前まではロザンナさんの元に通い詰めていたっていうのに。気が変わったのかな」


「おい!」とゴルドンに嗜められリオネルは口を閉じるも、まだまだ言いたりなさそうにロザンナをちらちら見た。


「アルベルト様がよくお話しされるのは、ロザンナさんだけですよ。数日後には隣国からお戻りになります。そうしたら一番に会いに行かれるのはロザンナさんだと思います。だからあまり気になさらないでください」


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