拝啓、神様。 転生場所間違えたでしょ。
本当に失礼なことなんだけど……異世界と聞いてそこの住民というとなんかこう、もっと粗末な装備しているのかな? とか勝手なイメージ持っていたけどそうじゃないみたいだ。 ものすごく良い装備をしていらっしゃる。というか俺の格好がぼろすぎるんですけど。
まあ、それは置いといてあれが一般的な装備だとするとちょっと……いや、かなり不味い気がしなくもない、あれが一般的ってことはそれと敵対する相手も相応に強いんじゃなかろうか?
そう考えると段々不安になってくる。
自分がこの世界において強いかどうかもわからないし、敵が強いのかどうかもわからない。
もしかするとあっさりやられてしまう可能性だってある。
ここでふと自分の右側半身へと目を向ける。
出会ったときに余りにもムキムキだと警戒されるかと思って養分の過剰摂取は止めておいたのだが……やっぱもっと吸っておいたほうが良かった?
なんて考えたのがいけなかったらしい。
俺の心に反応したマイボディが周囲の草木から一気に養分というか生命力的なものを吸い出したのだ。
まあそうなると一気に枯れだすわけで……。
「!? な、なんだっ!?」
「森が枯れ出した……っ」
あああぁぁぁあぁぁぁ……そりゃ当然気づくよね!?
ど、どどどどどうしよう!? まだ見つかったわけじゃないしいっそ逃げるしか――
「っ、そこに居る奴! 何者だ!!」
――あ、だめだ見つかった。
さっきまで俺を覆い隠していた良い感じの茂みは見事に枯れ果て、俺を隠すものはもはや何もない。
「お前だよ!お前!! 後ろ振り返って誤魔化してるつもりか!」
え?誰のことです? って誤魔化そうかと思ったけどやっぱだめだった! むっちゃこっち睨んでるし……脳筋ぽいんだし誤魔化されてよっ!
ちくせう……ここは大人しく手を上げて……あ、もちろんやばそうだったら一気に逃げますよ? ええ、はい。命大事にですわ。
とりあえず相手は全員武器を持っている上にこちらを半ば敵として認識していそうである。
あまり刺激するのはよろしくないだろう……まずは両手をあげたままゆっくりと立ち上がり、彼らにこちらには敵意がないことを伝えなければ。
「あ、怪しい者じゃないんですぅ」
「滅茶苦茶怪しい」
「人?なのか……いや、だがその手足は……」
猫なで声で怪しいものじゃないと言うが彼らは疑いの眼差しで俺を見る。
人を疑うのは良くないことだって教わらなかったのかこの脳筋ゴリラ共めっ
くそう、やっぱ逃げる準備しとくべきだなこれ……。
「えぇーと……出来れば事情話したいなーなんて思ってるんですけど、そのぉ」
「……良いだろう。話せ」
お? あれ? 半ば諦めて逃げるタイミング図ってたけど、なんかリーダーぽい人がこっちの話を聞いてくれる気になったみたいだぞ?
やっぱりゴリラは優しい! 誰だよ脳筋糞ゴリラなんて言ったの!!
「気が付いたら木にめり込んでたと……てことはお前ダンジョンシーカーか、テレポート系の罠にでもはまったか?」
「いや、分からないんですよ……いまいち記憶もはっきりしてなくて……罠かどうかも分からないんですが、死にそうな目にあったのは確かなんすけど」
優しいゴリラさん……もといリーダー格の人……どっちも長いしゴリさんで良いか。 で、ゴリさんに目が覚めたら木にめり込んでいたこと、抜け出したはいいけど半身が木になっていたこと、そしてとりあえず人里に行かなければと10日ほど森をさまよっていたこと、それらを全てちょっと大げさに身振り手振りも交えて伝えた。
はじめは疑いの眼差しだったけど、今はどこか憐れむような視線に変わっている。
やっぱりゴリラは優しい!
てか、あれだね。何か気になる単語が出てきたね。
ダンジョンとかテレポートとか、ダンジョンシーカーはたぶんダンジョン潜る人のことだろうね……うむ、素晴らしい、まさにファンタジーである。
あとゴリさんの話しを聞く限り罠にはまって俺みたいになることは一応あるにはあるみたい?
「……どうだ?」
「嘘はついてないね」
ゴリさんが後ろを振り返って仲間へと声をかける。
そのお仲間さん、ゴリさんの問いに嘘はついてないねって……あれ、なんか杖の先端光ってません?
どゆこと? もしかして嘘ついてないか魔法で確かめてた系? くそう、優しい振りしてよくも俺を騙してくれたねっ!
……いや、だが俺が嘘をついてないってことはこれで証明されたんだし、彼らの疑いも解けるだろう。
そうなればあとは何とかお願いして街へと連れてって貰うことが出来れば……あれ? なんかまだこっちをじろじろと疑いの眼差しで見る方が居るんですけど? ははは、やだなーもう。
「いや、だがおかしいぞリーダー」
「何がだ?」
がっでむ!
ちくしょう脳筋ゴリラ2号め、魔法で嘘ついてないって分かったじゃん! もういいじゃん!
ゴリさんもそこはスルーしておくれよう、もう素直に町連れてってよ……もう、泣くよ?どん引きするぐらい泣いちゃうよ?
まあ、それは置いといてあれが一般的な装備だとするとちょっと……いや、かなり不味い気がしなくもない、あれが一般的ってことはそれと敵対する相手も相応に強いんじゃなかろうか?
そう考えると段々不安になってくる。
自分がこの世界において強いかどうかもわからないし、敵が強いのかどうかもわからない。
もしかするとあっさりやられてしまう可能性だってある。
ここでふと自分の右側半身へと目を向ける。
出会ったときに余りにもムキムキだと警戒されるかと思って養分の過剰摂取は止めておいたのだが……やっぱもっと吸っておいたほうが良かった?
なんて考えたのがいけなかったらしい。
俺の心に反応したマイボディが周囲の草木から一気に養分というか生命力的なものを吸い出したのだ。
まあそうなると一気に枯れだすわけで……。
「!? な、なんだっ!?」
「森が枯れ出した……っ」
あああぁぁぁあぁぁぁ……そりゃ当然気づくよね!?
ど、どどどどどうしよう!? まだ見つかったわけじゃないしいっそ逃げるしか――
「っ、そこに居る奴! 何者だ!!」
――あ、だめだ見つかった。
さっきまで俺を覆い隠していた良い感じの茂みは見事に枯れ果て、俺を隠すものはもはや何もない。
「お前だよ!お前!! 後ろ振り返って誤魔化してるつもりか!」
え?誰のことです? って誤魔化そうかと思ったけどやっぱだめだった! むっちゃこっち睨んでるし……脳筋ぽいんだし誤魔化されてよっ!
ちくせう……ここは大人しく手を上げて……あ、もちろんやばそうだったら一気に逃げますよ? ええ、はい。命大事にですわ。
とりあえず相手は全員武器を持っている上にこちらを半ば敵として認識していそうである。
あまり刺激するのはよろしくないだろう……まずは両手をあげたままゆっくりと立ち上がり、彼らにこちらには敵意がないことを伝えなければ。
「あ、怪しい者じゃないんですぅ」
「滅茶苦茶怪しい」
「人?なのか……いや、だがその手足は……」
猫なで声で怪しいものじゃないと言うが彼らは疑いの眼差しで俺を見る。
人を疑うのは良くないことだって教わらなかったのかこの脳筋ゴリラ共めっ
くそう、やっぱ逃げる準備しとくべきだなこれ……。
「えぇーと……出来れば事情話したいなーなんて思ってるんですけど、そのぉ」
「……良いだろう。話せ」
お? あれ? 半ば諦めて逃げるタイミング図ってたけど、なんかリーダーぽい人がこっちの話を聞いてくれる気になったみたいだぞ?
やっぱりゴリラは優しい! 誰だよ脳筋糞ゴリラなんて言ったの!!
「気が付いたら木にめり込んでたと……てことはお前ダンジョンシーカーか、テレポート系の罠にでもはまったか?」
「いや、分からないんですよ……いまいち記憶もはっきりしてなくて……罠かどうかも分からないんですが、死にそうな目にあったのは確かなんすけど」
優しいゴリラさん……もといリーダー格の人……どっちも長いしゴリさんで良いか。 で、ゴリさんに目が覚めたら木にめり込んでいたこと、抜け出したはいいけど半身が木になっていたこと、そしてとりあえず人里に行かなければと10日ほど森をさまよっていたこと、それらを全てちょっと大げさに身振り手振りも交えて伝えた。
はじめは疑いの眼差しだったけど、今はどこか憐れむような視線に変わっている。
やっぱりゴリラは優しい!
てか、あれだね。何か気になる単語が出てきたね。
ダンジョンとかテレポートとか、ダンジョンシーカーはたぶんダンジョン潜る人のことだろうね……うむ、素晴らしい、まさにファンタジーである。
あとゴリさんの話しを聞く限り罠にはまって俺みたいになることは一応あるにはあるみたい?
「……どうだ?」
「嘘はついてないね」
ゴリさんが後ろを振り返って仲間へと声をかける。
そのお仲間さん、ゴリさんの問いに嘘はついてないねって……あれ、なんか杖の先端光ってません?
どゆこと? もしかして嘘ついてないか魔法で確かめてた系? くそう、優しい振りしてよくも俺を騙してくれたねっ!
……いや、だが俺が嘘をついてないってことはこれで証明されたんだし、彼らの疑いも解けるだろう。
そうなればあとは何とかお願いして街へと連れてって貰うことが出来れば……あれ? なんかまだこっちをじろじろと疑いの眼差しで見る方が居るんですけど? ははは、やだなーもう。
「いや、だがおかしいぞリーダー」
「何がだ?」
がっでむ!
ちくしょう脳筋ゴリラ2号め、魔法で嘘ついてないって分かったじゃん! もういいじゃん!
ゴリさんもそこはスルーしておくれよう、もう素直に町連れてってよ……もう、泣くよ?どん引きするぐらい泣いちゃうよ?