青春sparkling
その日から時々電話をするようになった。


正しく言えば私がまさの声にハマったのだ。
イライラしていてもまさの声を聞くと
自然と怒りもおさまってしまう。
泣きたいと思っていても何かが引っかかって
うまく泣かなくてもマサの声を聞くと
自然と涙が溢れた。
まさはそんな時でもテンポを変えずに
いつも通り優しい声で話してくれる。

その安心感がたまらなかった。
だが、それと同時にまさの話を聞いていて
少しヤキモチを焼いている自分がいることに
気付き始めていた。
まさが時々出す女子の名前に。

その子は私の垢があの人でもあった。
だから嫌いになれずにいた。
好きになる理由がわかるから。
ある日まさが告白してくると言い出した。
目の前が真っ暗になった。

このまま時が止まればいいのに。
そんなのなかったことになればいいのに。
なんだそう願っても変わる訳のない
事実に心折れかけていた。
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