青春sparkling
最寄駅に着くとバスがちょうど来ていた。
急いで梨那の家まで向かう。
すると家の前で退屈そうにスマホをいじる
梨那がいた。

「遅い。20分って言ったのにー」
「ごめん!はい、お誕生日おめでとう!」
「え???まじでMacじゃん!!!
 最高すぎるんだけど!!!!!」
袋を覗きながら笑みをこぼす梨那。
その嬉しそうな顔を見て私は安堵した。

梨那にプレゼントを渡すと、私は
家の方向へと足を変えた。

(あ。まさ)

電話を途中で切って家に入れなくなっている
奴のことを思い出した。

[生きてる?]
[俺は生きてるけど?]
[暑くない?大丈夫?]
[一応日陰に座ってるから。
ってか充電やばいな、俺!だから
電話してられない…あ!!モバ充、!]
[持ってるけど?]
[ナイス!!持ってきて!!]
[わかった]

梨那の家からまさの家まで徒歩5分。
そんなに遠くはない。
私は坂が嫌だなと思いながらもまさの家へ
向かった。


(あ、いた)
そこには,制服姿で玄関にしゃがみ込む
小さな不良少年がいた。

「よっ」
「鍵忘れるなんて馬鹿だねぇ」
「うるせぇ!!笑俺のせいじゃねーよ!」
「はい、モバ充。」
「あざす」

新鮮な制服姿を見ていたら、なぜか
帰りたくなかった。
いつも会う時は私服だから。
だから、私も横に座って日本史の教科書を
開いた、特に意味はないけれど。

「へぇー,今鎌倉やってるんだ」
私の資料集を見ながら話始める。
きっとまさの得意科目は日本史だろう。
英語は死ぬほど壊滅的なのだから。

私のノートを見て字が綺麗だと言い出す。
授業中のノートだから雑過ぎる。
いったいお前は普段どんなノート書いてんだ
と疑いたくなるくらいの。
そんな話をしているうちに時間は過ぎていた。
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