アップルパイ
それから、私たちは入学式を終え先生の話を聞いていた。



他の看護学校よりも人数が多いって聞いていたけどこれほど多いとは…。



正直息が詰まりそう。



それに、あの人は…。



担任発表の時の中にいた人は、私の住むマンションの隣に住んでいる人だった。



まさか、ここの教員だったんだ。



まあ、興味なんてないけど。



先生の話は思ったよりも長かった。



「それでは、皆さん。これから専門職者になるにあたって頑張っていきましょう。」



やっと、長い話も終わった。



「飛鳥、先生の話長かったね。ご飯食べて帰らない?私がおごるからさ。」



友美の家はたしか、農業で自営業しているからお金持ちだ。



「いいよ。」



「やったね~!」



嬉しそうにスキップをする友美の後ろ姿を見ながら私は友美の後をついていった。



「飛鳥、何食べたい?中華、洋食、和食、何でもいいよ。」



「ん~…。」



友美と歩きながら行けそうなところを考えていると真っ先に思い浮かんだのは近くの喫茶店だった。



ここの喫茶店は、ご飯がおいしいことももちろんだけど、アンティークな雑貨やインテリアも置いてあるから、私のお気に入りの場所でもあった。



「友美、サンドイッチは好き?」




「うん。もちろん大好きだよ。」




「私のお気に入りの喫茶店があるの。一緒に行こう。」




「えっ⁉やばい、それは嬉しすぎる!飛鳥のお気に入りのところに連れて行ってくれるなんて。


私、感動しすぎて泣きそう。」




本気で涙目になっている友美。




「そんな、大袈裟だよ。泣きそうにならないで。」



それから、しばらく歩き目的としていた喫茶店へ向かった。



「へへ、ごめん。」

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