アップルパイ
喫茶店に入ると、私のことを知っている女性が席へと案内してくれた。



年齢は今年23歳になるみたいで、美容関係の学校に通いながらここでバイトをしているらしい。



「あすちゃん。いらっしゃい。今日は何にする?」



「すごい、飛鳥ここの常連さんなんだ。」



「常連というか、あの人と仲がいいだけだよ。」



「へぇ~。類は友を呼ぶというだけあって、何となく飛鳥に雰囲気も似てるね。」



「そんな、柏木さんに失礼よ。」



「あの人、柏木さんって言うんだ。下の名前なんていうの?」



「柏木菜々と言います。よろしくね。あなたは、あすちゃんの友達かしら。」



「はい。江藤友美と言います。よろしくお願いします。」



相変わらず、柏木さんは人と打ち解けるのが早い。



彼女に会いにここへ通っている人がいるって、風のうわさで聞いたことがある。



「それでは、ゆっくりしていってくださいね。」



そう言って、他のお客さんのもとへ向かった柏木さん。



「飛鳥、何食べる?私、もうお腹すいちゃった。」



「やっぱり、BLTサンドにしようかな。友美は何にする?」



「どうしよう…。」



そう言いながら、メニューをペラペラする彼女。



昔から、優柔不断なんだよね。



本当は早く選んでほしい気持ちがあるけど、焦らしたくもないから私は携帯を眺めていた。



それからしばらくして、友美も食べたいものが決まった。




サンドイッチを頼んでからすぐ、テーブルに届いた。



相変わらず、ここのパンは美味しいんだよね。



サンドイッチを食べ終え、雑貨やインテリアを見ながら家に帰った。
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