時の止まった世界で君は
幡也side
薬を飲んだなつみは、尚も不安気に俺にギュッとしがみついて服に顔を埋めていた。
その頭を撫でてやり、しばらく背中をポンポンと撫でてやっていれば少しずつ、手に込められた力が弱まっていくのがわかる。
「なつ、少しボーッとしてきたね。」
そう聞くと、なつみは小さくこくりと頷いた。
けれど、服から埋めた顔を出すこともなければ、俺から離れる素振りを見せることもない。
……もしかすると、眠いのかもしれないな。
「なつ、治療のお部屋まで歩いて行ける?それとも、車椅子で行こうか?」
そう聞けば、なつは首を横に振り「だっこ」と小さな声で答える。
……これは、そうとう眠いな。
まあ、でも眠れた方がなつみ的にも、治療中は不安を感じなくて良いんだろうけど。
そう思いながら、おれは瀬川に目配せをして、なつを抱き抱えたままベッドを立った。
その頭を撫でてやり、しばらく背中をポンポンと撫でてやっていれば少しずつ、手に込められた力が弱まっていくのがわかる。
「なつ、少しボーッとしてきたね。」
そう聞くと、なつみは小さくこくりと頷いた。
けれど、服から埋めた顔を出すこともなければ、俺から離れる素振りを見せることもない。
……もしかすると、眠いのかもしれないな。
「なつ、治療のお部屋まで歩いて行ける?それとも、車椅子で行こうか?」
そう聞けば、なつは首を横に振り「だっこ」と小さな声で答える。
……これは、そうとう眠いな。
まあ、でも眠れた方がなつみ的にも、治療中は不安を感じなくて良いんだろうけど。
そう思いながら、おれは瀬川に目配せをして、なつを抱き抱えたままベッドを立った。