時の止まった世界で君は
星翔side
放射線治療は思っているよりもはやく終わる。
モニター画面で治療の様子を見つつ、なつの様子を見ていると、10分経つか経たないかという所で、放射線技師の方から声がかかった。
「おわりました。もう、お迎えに行って大丈夫ですよ。」
そう、ニコリと微笑んだ技師の方にお礼を伝えて、俺は隣の部屋にいるなつの元へと向かう。
部屋へ入ると、なつはまだ治療台のベッドの上ですやすやと眠っていた。
「なつ、なつ。おわったよ。」
そう軽く肩を叩いて起こしてあげると、なつは眠たげに薄らと目を開けたあと、そのまま再びまぶたを閉じてしまう。
「なつ、お部屋帰るからちょっとだけ起きれる?」
そう聞くと、なつは、少し体を捩ったあと、目を瞑ったまま、両手を大きく広げ俺の方につきだす。
……これは、抱っこのポーズかな?
そうとう眠いようだ。
そんななつを可愛らしく思いながら、俺は、なつの要望通り、なつの体を持ち上げる。
治療室の出口へと向かうと、妹尾先生と技師の方が何かを話していた。
「……あれ、なつまだお眠かな。」
なつが出てきたことに気がつくと、妹尾先生も技師の方も話をやめ、なつの方を見る。
「よかった、今日はリラックスして受けれたんですね。」
昨日の様子を知ってるからか、技師の方も嬉しそうだ。
「この子にとっては数分でも、かなり心理的に負担をかけちゃうから、眠れたのは本当によかった。…明日からも、お願いします。」
どうやら、話の流れ的に先程までも明日以降のなつの治療の話をしていたようだった。
俺も妹尾先生に続いて会釈をすると、技師の方はまた微笑んで、それからなつの頭をそっと撫でた。
「よくがんばったね。明日からも、一緒に頑張ろう」
聞こえているのかいないのか、なつはスヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てている。
その様子に、ふっと場の空気が暖かく緩むのを感じた。
モニター画面で治療の様子を見つつ、なつの様子を見ていると、10分経つか経たないかという所で、放射線技師の方から声がかかった。
「おわりました。もう、お迎えに行って大丈夫ですよ。」
そう、ニコリと微笑んだ技師の方にお礼を伝えて、俺は隣の部屋にいるなつの元へと向かう。
部屋へ入ると、なつはまだ治療台のベッドの上ですやすやと眠っていた。
「なつ、なつ。おわったよ。」
そう軽く肩を叩いて起こしてあげると、なつは眠たげに薄らと目を開けたあと、そのまま再びまぶたを閉じてしまう。
「なつ、お部屋帰るからちょっとだけ起きれる?」
そう聞くと、なつは、少し体を捩ったあと、目を瞑ったまま、両手を大きく広げ俺の方につきだす。
……これは、抱っこのポーズかな?
そうとう眠いようだ。
そんななつを可愛らしく思いながら、俺は、なつの要望通り、なつの体を持ち上げる。
治療室の出口へと向かうと、妹尾先生と技師の方が何かを話していた。
「……あれ、なつまだお眠かな。」
なつが出てきたことに気がつくと、妹尾先生も技師の方も話をやめ、なつの方を見る。
「よかった、今日はリラックスして受けれたんですね。」
昨日の様子を知ってるからか、技師の方も嬉しそうだ。
「この子にとっては数分でも、かなり心理的に負担をかけちゃうから、眠れたのは本当によかった。…明日からも、お願いします。」
どうやら、話の流れ的に先程までも明日以降のなつの治療の話をしていたようだった。
俺も妹尾先生に続いて会釈をすると、技師の方はまた微笑んで、それからなつの頭をそっと撫でた。
「よくがんばったね。明日からも、一緒に頑張ろう」
聞こえているのかいないのか、なつはスヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てている。
その様子に、ふっと場の空気が暖かく緩むのを感じた。