時の止まった世界で君は
宏樹side
寝ているかな…と思い、そっとカーテンを開けて病室に入る。
瀬川の言う通りテレビを見ていたようで、テレビはついている。
…でも、眠っているのか布団が丸く膨れ上がっている。
近付くと、すんすんと鼻をすする音が聞こえてくる。
「……なつ?」
そう呼ぶと、シーツがビクッと揺れ布団からなつが顔を覗かせる。
「………ひろくん…いつきたの?」
なつの声は少し焦っている。
音からしても、やっぱり泣いていたみたいで、目元と鼻がほんのりと赤くなっている。
「ごめんね、お仕事終わったから様子見に来たんだ。」
それだけいうと、なつは目元を手でゴシゴシと擦ると何でもなかったように笑顔を作った。
…ほんと、嘘つくの下手なんだから。
ベッド横の椅子に腰をかけ、なつの頭をぽんぽんと撫でる。
「なーに無理してんの。泣いてたのバレバレだし。」
「…な、ないてないもん」
そっか、というようにもう一度頭をぽんぽんと撫でる。
どう話を切り出そうか迷い、でも結局1番ストレートな切り出し方を選択する。
「…なつ、これから頑張れそう?」
自分で聞いておきながら、酷な質問だと思った。
やりたくないことを頑張るなんて言いたくないし、頑張らないといけないことは決まっているから、拒否もできない。
でも、なつの今の気持ちを引き出すにはこの質問が1番いいと思った。
「…………」
「……がんばり…たくない」
声が震えている。
心から絞り出すような声。
「…がんばりたくないけど、がんばんなきゃ、だめでしょ?」
段々と涙目になるなつの背中を撫でる。
「…………がんばりたくないなあ」
瀬川の言う通りテレビを見ていたようで、テレビはついている。
…でも、眠っているのか布団が丸く膨れ上がっている。
近付くと、すんすんと鼻をすする音が聞こえてくる。
「……なつ?」
そう呼ぶと、シーツがビクッと揺れ布団からなつが顔を覗かせる。
「………ひろくん…いつきたの?」
なつの声は少し焦っている。
音からしても、やっぱり泣いていたみたいで、目元と鼻がほんのりと赤くなっている。
「ごめんね、お仕事終わったから様子見に来たんだ。」
それだけいうと、なつは目元を手でゴシゴシと擦ると何でもなかったように笑顔を作った。
…ほんと、嘘つくの下手なんだから。
ベッド横の椅子に腰をかけ、なつの頭をぽんぽんと撫でる。
「なーに無理してんの。泣いてたのバレバレだし。」
「…な、ないてないもん」
そっか、というようにもう一度頭をぽんぽんと撫でる。
どう話を切り出そうか迷い、でも結局1番ストレートな切り出し方を選択する。
「…なつ、これから頑張れそう?」
自分で聞いておきながら、酷な質問だと思った。
やりたくないことを頑張るなんて言いたくないし、頑張らないといけないことは決まっているから、拒否もできない。
でも、なつの今の気持ちを引き出すにはこの質問が1番いいと思った。
「…………」
「……がんばり…たくない」
声が震えている。
心から絞り出すような声。
「…がんばりたくないけど、がんばんなきゃ、だめでしょ?」
段々と涙目になるなつの背中を撫でる。
「…………がんばりたくないなあ」