時の止まった世界で君は
「なつちゃん、おはよ~」
病室に入ると、なつみちゃんはまだ眠っていた。
軽く肩を叩いて声をかける。
「なつちゃん、もう朝だよ。」
ゆっくりと瞼を上げたなつみちゃんは、数回瞬きをすると、まだ眠たげに目を擦った。
「…んぅ……なつちゃんじゃない…なつは、なつだよ」
寝ぼけているのか、舌っ足らずにそう言ったなつみちゃん…、なつはまた布団に潜ろうとする。
「じゃあ、なつ。ほら、もう起きないとだめだよ。朝ごはん食べよう?」
そう言いながら布団を捲ると、なつは渋々といった様子で起き上がった。
「改めて、おはよう。」
ニコッと笑いながら言うと、なつは眠たそうな表情のままこくんと頷く。
思っていた以上に寝起きが悪いのかもしれないなと少し苦笑い。
とりあえず検温のために体温計を渡す。
なつは慣れているのか、体温計を受け取ると自分で脇に挟む。
ピピピピピッ♪ピピピピピッ♪
今朝の体温は36.2。
これから治療をしていくと、熱が出てしまうことも多いので、平熱がこれくらいであることをしっかりと記録しておく。
「なつ、今日からしっかりと病気の治療始めていくね。」
そう言うと、それまで眠そうにモゾモゾしていたなつの動きがピタリと止まる。
「今日は、まず頭の中の悪いコブを小さくするお薬を入れる治療をするからね。」
昨日から、説明はしていたが、昨日はずっとどこか上の空で聞いているのかいないのかわからなかった。
でも、この様子からするに今まで忘れていたけど、昨日説明されたのを思い出したのかもしれない。
「お薬入れるのは10時くらいになるかな。その時は、看護師さんと一緒に来るからお部屋で待っててね。」
そう言うと、なつは少し間を開けてから小さく頷いた。
病室に入ると、なつみちゃんはまだ眠っていた。
軽く肩を叩いて声をかける。
「なつちゃん、もう朝だよ。」
ゆっくりと瞼を上げたなつみちゃんは、数回瞬きをすると、まだ眠たげに目を擦った。
「…んぅ……なつちゃんじゃない…なつは、なつだよ」
寝ぼけているのか、舌っ足らずにそう言ったなつみちゃん…、なつはまた布団に潜ろうとする。
「じゃあ、なつ。ほら、もう起きないとだめだよ。朝ごはん食べよう?」
そう言いながら布団を捲ると、なつは渋々といった様子で起き上がった。
「改めて、おはよう。」
ニコッと笑いながら言うと、なつは眠たそうな表情のままこくんと頷く。
思っていた以上に寝起きが悪いのかもしれないなと少し苦笑い。
とりあえず検温のために体温計を渡す。
なつは慣れているのか、体温計を受け取ると自分で脇に挟む。
ピピピピピッ♪ピピピピピッ♪
今朝の体温は36.2。
これから治療をしていくと、熱が出てしまうことも多いので、平熱がこれくらいであることをしっかりと記録しておく。
「なつ、今日からしっかりと病気の治療始めていくね。」
そう言うと、それまで眠そうにモゾモゾしていたなつの動きがピタリと止まる。
「今日は、まず頭の中の悪いコブを小さくするお薬を入れる治療をするからね。」
昨日から、説明はしていたが、昨日はずっとどこか上の空で聞いているのかいないのかわからなかった。
でも、この様子からするに今まで忘れていたけど、昨日説明されたのを思い出したのかもしれない。
「お薬入れるのは10時くらいになるかな。その時は、看護師さんと一緒に来るからお部屋で待っててね。」
そう言うと、なつは少し間を開けてから小さく頷いた。