正反対なドッペルゲンガー -君が幸せになるなら-
その後、無事に入学式が終わり 家族4人揃って家に帰った。
その帰り道、私はずっとその人のことを考えていた。

とても優しそうな人…喋ってみたいなぁ。
奏も私と同じように、何か考えているのか 上の空状態だった。奏にも、好きな人が出来てたり…? …そんなまさかね。あの奏に好きな人が出来るわけないや…。

そんなこんなで、いつの間にか家に着いており 各々部屋に戻った。
私が自分の部屋で着替えようと制服のボタンを2つ取った時、部屋の扉をコンコンっと2回 誰かがノックした。

「私私〜。入ってもいい?」
その声の主は奏だった。奏は1日に1回は私の部屋に来て、色々な事を言ったりやったりする。手相とか、占いとか、手芸で作ったものとか…いかにも女の子らしいこと。
今日は高校の話だろうなぁ。先生が良さそう!みたいな。

「いいよ〜。」
私は扉の方に喋った。

ガチャッと音がして、扉から奏が出てきた。

「突然ごめんね〜…って、あっ!……え、えっと、着替え中だった…?」
奏が私の方を見てビクッとし、申し訳なさそうな目を向けた。
「えっ?……あ〜…」
奏は私の体の当たりを見ていた。私も奏の向く方に視線を写してみると、シャツのボタンが2つ取れていた。
さっき取ったの、普通に忘れてた…。まぁ、奏なら別に良いだろう。

「大丈夫大丈夫。…ところで、今日はどうしたの?」
さっきから奏がソワソワ モジモジしている。何か変わった事でもあったのだろうか。奏の容姿は特に変化無いみたいだけど…。学校で何かあったかなぁ。
取り敢えず立ったままもなんなので、大きめのクッションを2個用意し 2人同時にドボンッと座った。

「え、えっとね…。じ、実はね…」
顔を赤らめている。……もしかして…


「…す、好き、好きな人が…で、出来たの!」

「……へっ!?」
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