愛は惜しみなく与う⑥
泉と杏
「杏、1時間ほど時間をくれ。遅ればせながら、誕生日パーティーをやろう。俺も頼んでいたケーキを取りに行くから、泉と一緒に待っててくれ」
いや、雄作さんがケーキ取りに行くの?
店の人可哀想やし辞めてあげて?その顔でケーキ屋はいらんといてほしいけど…
ルンルンと周りに音符が跳んでるようにみえる
ご機嫌なまま、数人引き連れて外へ出て行った
ポツンと泉と2人で取り残される
「嬢!サプライズなんで、二階の嬢の部屋で待っててくだせぇ」
「サプライズって先にゆうたらサプライズにならへんねんで?」
「し、しまった!!」
いや、盛大にみんな準備してるし、サプライズもくそもない。
とりあえず行ってくだせぇと涙目の組員
まぁいいか
「泉!上いこ!あたしの部屋あるねん」
泉の手を引いて二階に上がる
昔と変わってへんのかな
それやったら…
廊下を歩き、襖を開ける
「凄い部屋だな」
泉の素直な感想が聞けた
「せやねん。雄作さんの趣味や」
まぁなんとも、ピンクと白のメルヘンな部屋に入る