愛は惜しみなく与う⑥

逃亡

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「おい！！なんでこんな事になってんだよ！！！」

「私に聞かないでください！とりあえず今は逃げましょう」

「ねぇねぇ、俺たちどうなるの？なんでこんな時に泉は居ないんだよ」

「3人とも！話す暇があるなら足を動かして！こんな知らない土地で、事件に巻き込まれるなんてごめんだよ」


なんでこんな事になってるんだろうって？なんで泉は居ないかって？
そんなのもう知らないよ！

とにかく今は…


「おい、慧！うしろ！！」


朔の大きな声で後ろを振り返れば、脇道から男たちが飛び出してくる

必死に避けてただ前を向いて走る


俺は…杏ちゃんと朔がトラブルメーカーだと思ってたけど、やっぱり朔が原因だよね！？


「3人とも！あそこ見てください！とにかく今は、あそこを目指しましょう」


新の声で少し先を見れば、大きなデパートのような場所

もうこの際どこでもいいよね。
かれこれ30分くらい走り続けてる気がするから


「急ごう」

体力の限界ってものがある

マラソンで30分走れと言われればできるけど…