愛は惜しみなく与う⑥
知らない土地で、知らない人たちに追いかけ回されるのは、体力と精神が削られる
やっとたどり着いたその場所
とりあえず中に入れば、天国のように涼しい
「なんだよ!あいつら誰だよ!」
「す、少しお待ちください。皆さんほとんど手ぶらでしょう!私はパソコン抱えて走ってるんですよ?」
疲れた!と新は珍しくご機嫌斜め
まぁそうなるよね。
響は飲み物買うねと近くの自販機で、スポーツドリンクを4本買った
この状況を整理したい
「人目のつかない所に行きましょう」
新が指を刺したのは、デパートの階段
フードコートとかは目立つからね。何か人の居ない場所……
「で、なんでここなんだよ!!」
新に着いていけば、トイレに押し込まれる。いやいや、男4人でこの個室は無理がある!
でもどうしようもないから、みんな黙って新を待つ
「志木さんはきっと手術中ですかね。連絡が取れません。となると、私たちでここを切り抜けないといけません」
何やらパソコンをカタカタとさわり、5分ほど、新は黙った