愛は惜しみなく与う⑥
「とりあえずこの場所悪いんで、移動しません?」
もう力は残ってないし、ふらふらの自信はあるけど、なんせ今いる場所は、3方向から人が来れてしまうから、やり辛い
男達の関西弁独特のイントネーションの、怒鳴り声が聞こえる
はぁ
杏ちゃんの可愛い関西弁に慣れてるから、野郎の関西弁とか、ほんとに勘弁して欲しい
死ぬ物狂いで走った場所は、コンテナが置いてある港
黒蛇とやりあった場所によく似ている
結構入り組んだところまで入ってしまったけど、もしかしてこの場所で撒けるんじゃないかな?
複雑な道になっている。行き止まりに行ったらお終いだけど、そうならない事を祈って走った
「どうだ?あと10人くらい殴れそうか?」
「10人なら…なんとか」
20人って言われたら確実に無理。10人でも自信はない
狭い通路
ここでやるしか無い
そう思ったら、後ろからも前からも…ゾロゾロと…
「これやばくないか?」
「……2:2に分かれましょうか」
それしか方法はないけどさ?両サイドからゾロゾロと歩いてくる集団
普通に無理だよね