愛は惜しみなく与う⑥
「ちっ!訳分かんねえけど、俺たちもやるぞ!!」
朔を先頭に散らばった男達を倒す
無我夢中だった
正直何時間も喧嘩をし続けて走り続けて、本当に限界も近かったから
そして終わりの時がきた
「おとといきやがれ」
ハスキーボイスが脳に響いてハッとすると、周りに男達が倒れていた
誰一人立ち上がる気配もない
助かった?
あまりの強さにドン引きした。
この人たちだ
俺たちが探してたのは
ようやくちゃんと話せる
そう思ったのに
「で、お前らわざわざ東京からでてきて何の用や?関西かき回すには、人数たりてへんやろ」
茶髪で短髪の男は、しゃがみ込む俺たちのそばに来て、そう言った
その声には敵意が混じっている
「まぁまぁ昴(スバル)待ちなさいよ?薔薇を復活させるとかなんとか言ってたかしら?」
ハスキー声の女は俺の顎に指を当てて、グイッと視線を合わせるようにする
日頃なら嬉しいけど
いまはちょっと、そんな雰囲気でもない