愛は惜しみなく与う⑥
「薔薇は解散したのよ。あんた達が噂の種かしら?こんな馬鹿げたゲームを始めたあんた達を、じっくり痛ぶってやろうかと思ってね」
色気満々の仕草にやられそうになるけど…なんて言ったの?
俺たちがこのふざけたゲームを始めた?
女は俺たちを助けたのではなく、じっくり話を聞くために周りを蹴散らしただけだと言った
「なんでそうなんだよ!!俺たちは杏を助けるために、お前らに力を借りようとだな!」
珍しく素早くこの状況を飲み込んだ朔が、声をあげた
そしてこわい顔をした3人が
杏という名前を聞いてピクリと反応した
待って
もしかして
「志木さんから何も聞いてませんか?」
少し不安には思ってたんだ。
病室で、私から説明すれば、電話で罵られて、傷口が開きそうです。
そう嫌そうな顔をしていたから…
でも、勝手にある程度話してくれてるもんだと思ってた。
「ちょっと、どーゆうこと?ねぇ美奈子ちゃん?杏ちゃんの名前も、志木くんの名前もでてきたよ?」
「敦子、あんたは黙ってな?昴、志木に電話しな」
美奈子と呼ばれた女の人は、黒髪ロングで背は高く、ハスキー声で女王様風のオーラがでている。