愛は惜しみなく与う⑥
そして小柄な女の子は、敦子と呼ばれて、何やら可愛らしい雰囲気だ。
さっきは笑いながら男達を殴り飛ばしていたけど


そしてこの男

昴と呼ばれた男はいつでも俺たちをやれるようにか、俺たちから視線をはずさない


男が電話に手を伸ばすが、電話の相手は電話に出ない。そりゃそうだよね



「志木さんは今、手術中です」



新は身体を起こし、パソコンが入った鞄を大事そうに抱えた


「手術?あのサイボーグ野郎が怪我なんてすることあるのかい?」

「せやんな!志木くんが手術とか、笑えるんだけど。なにそれ、ガセネタ?」

「でも志木が電話に出ないなんて、今まで一度もなかったけどな」


かなりの警戒心
こんなところで疑われてる暇はない



「話を聞いてくれませんか?信用できないなら手足縛ってもいいです。ひとまず話を聞いてください」


あんな闘いっぷりを見せられたから、今から4人で対抗する気にもならないからね?



「ふーん。杏の名前が出てきたのが気になるから、話は聞いてあげるわよ。付いてきな!話せる場所に連れて行くわ」


美奈子さんは特に俺たちに何をするわけでもなく、ただ前を歩き出した
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