愛は惜しみなく与う⑥
「私が話します」


うん。新が話してくれるのが1番だよ

そして新は前提に『杏とは関東での、同じ高校の同級生で、5月頃から行動を共にしている仲間』ということで、話し出した


男も女2人も、なにも言わずにただただ話を聞いていた

そして、ここに来た理由、どうしてこうなっているか…全て話した


周りはファミレスだからガヤガヤしている。でも、このテーブルだけ時が止まったような…


そんな感覚があった



そして思った
この人たちに、杏ちゃんも志木さんも、正体を隠していたと言っていた。

ていうことは…そこから話さなきゃいけないのか?そう思った時、ガンと男が机を殴った



「あの馬鹿!!俺たちの気も知らないで!!美奈子、敦子!今度こそスコーピオン潰すぞ」


身体から滲み出る怒りが見える


「杏ちゃんを悲しませるやつは、許さへん」

「杏は……私達にとってヒーローだからね。失うわけにはいかないんだよ」


きっとこの人達も、杏ちゃんに変えてもらったんだろうな。あの明るさに、優しさに引っ張られてここまで来たんだろうな
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