愛は惜しみなく与う⑥
突然名前が上がったチームだという
「チームって言っても、あの子、志木と2人で暴れてただけなのよ。私はまだレディースに所属してたし、敦子なんて、ピアノ習ってたのよ」
「あたしのピアノ関係ないやん!ぶー」
ほっぺを膨らませる敦子ちゃんは、杏ちゃんよりも幼く見えるけど…同い年らしい
「俺は当時、自称関西ナンバーワンチームに居たんだけど、何か違う気がしてどこにも属さずにフラフラしてるところ、杏に拾われた」
「とにかくね、あの子は本当に強かったの。みんな薔薇に入りたいって言ってた。でもね、あの子は人を増やすのが嫌だったみたい。だから薔薇はずっと少人数だったわ」
聞いたことはある。
薔薇は少数精鋭で、下の子達も、とても強いと
強い人たちの集まりだと
「杏ちゃんはね、寂しかったんだってさ。だから仲間が欲しかったって言ってた。薔薇は杏ちゃんのためのチームなん。せやし、語り継いでいくものじゃない。
杏ちゃんが卒業すると共に、元から解散する予定やったんやで」
敦子ちゃんは少し悲しそうに笑った