愛は惜しみなく与う⑥
「杏は…あの子は家に居場所なかったんでしょ?それに妹を溺愛する母親。駆け落ちなんてしてみなさい。それこそ大事件でしょ」
「じゃああの妹は、お姉ちゃんの杏ちゃんが、自分がいなくなれば、後を継いでくれるやろうって思ってそうしたってこと?都合よすぎひん?」
「そうじゃない?腹黒いけどね。でも、性格悪そうな子だったじゃない」
「でも…やっぱりあたしは許せへんわ。妹が死んだフリせんかったら、杏ちゃんも、妹のフリせんでよかったんやで?杏ちゃん家のこととか全部考えて自分を犠牲にしたんやで?全部妹がしっかりしてたら、こんな事にならへんかった!」
敦子ちゃんはガンとテーブルを蹴って、そのまま何処かへ行ってしまう
引き止めようと思ったんだけどさ
その前に引っかかることを言ったよね
「ね、ねぇ」
声をかけてみれば、美奈子さんに、追いかけなくて大丈夫。すぐ帰ってくる。そう言われた
違うんだよ
そうじゃなくてさ
「杏が、妹のフリしてるってなんだよ」
隣の机の上に置かれた朔の手が震える
「じゃああの妹は、お姉ちゃんの杏ちゃんが、自分がいなくなれば、後を継いでくれるやろうって思ってそうしたってこと?都合よすぎひん?」
「そうじゃない?腹黒いけどね。でも、性格悪そうな子だったじゃない」
「でも…やっぱりあたしは許せへんわ。妹が死んだフリせんかったら、杏ちゃんも、妹のフリせんでよかったんやで?杏ちゃん家のこととか全部考えて自分を犠牲にしたんやで?全部妹がしっかりしてたら、こんな事にならへんかった!」
敦子ちゃんはガンとテーブルを蹴って、そのまま何処かへ行ってしまう
引き止めようと思ったんだけどさ
その前に引っかかることを言ったよね
「ね、ねぇ」
声をかけてみれば、美奈子さんに、追いかけなくて大丈夫。すぐ帰ってくる。そう言われた
違うんだよ
そうじゃなくてさ
「杏が、妹のフリしてるってなんだよ」
隣の机の上に置かれた朔の手が震える