愛は惜しみなく与う⑥
外に出れば、怒って何処かへ行ってしまった敦子ちゃんが目の前にいた

そして志木さんの顔を見て


ざまーみろ

そう呟いた


「お前ら、志木だけを責めることも出来ねぇだろ?よく考えてみろよ。俺らだって、杏に絶対言うなって頼まれたら…約束守ろうとしてしまうだろ?」


昴さんがバチバチと睨む女の子二人の前に立ち、仲裁する



「昴、お久しぶりです。ありがとうございます。お二人の気持ちもわかるので…殴られるだけで済むなら何度でも」


志木さん…

そんな顔をする志木さんを、俺たちは見たことがなかったよ


「なんて顔してんだよ!はぁ…お前が薔薇で唯一冷静やった。ちゃうか?
まぁええ。とりあえず俺の家行くぞ。ここで話しても意味ないからな。ついてこい」


昴さんの後を歩く

でも…


「私たちネットに顔を晒されて…街を歩けば追いかけ回されるんですが…」


そう、忘れちゃいけない。
この町で不良どもにターゲットにされてる。

あんまり外を歩きたくないんだけど…
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